Sword of The Stars!!

また宇宙ストラテジーである。
きっと次回もそうなのだろう。

Sword of The Stars retaile art

Sword of The StarsはKerberos Productionsによって開発され、06年に発売された宇宙4Xストラテジーゲームである。
ここはHomeworld:Cataclysmを製作したBarking Dog Studiosのメンバーが設立したメーカーであり、Homeworldシリーズのシナリオライターも所属している。
しかし、同じ宇宙物とは言え、このゲームはHomeworldシリーズとはまったく違った内容である。

プレイヤーは特性が異なる4つの種族(拡張を含めると6)から1つを選んでその勢力を広げ、敵対する種族との戦略に打ち勝たなくてはならない。
現在3本の拡張版が発売中だが、今回はオリジナルのSword of The Stars(以後無印)の要素だけを紹介しよう。

Sots in game UI

このゲームにはマップの設定を決めて自由に決めるサンドボックスモードと、特定の勝利条件を目指すシナリオモードが存在する。
いわゆるストーリーに沿って進んでいくキャンペーンモードはない。

ゲームを始めるとプレイヤーは発展した母星を与えられる。
多くの宇宙ストラテジーのように、惑星は内政の拠点であり、奪い合う対象なのだ。
まずはこの母星で探索船や植民船を作り、彼らを使って惑星を調査しなくてはならない。

ここで独特の特徴がある。
多くのストラテジーゲームでは、種族ごとの違いをユニットなどの性能や特殊能力で表現している。
それらに加えてこのゲームでは惑星間の移動ルールが違うという特徴が加えられている。

例えば、Humanは通常の航行速度が非常に遅いが、
自然に生成されたノードのネットワーク(ワームホールのようなもの)を通って移動することで凄まじい速さで移動できる。

昆虫種族であるHiverも鈍足だ。
しかし各惑星に「Gate」を展開してリンクさせることでゲート間を1ターンで移動できるようになる。
まさに昆虫が巣を張り巡らすのごとく発展する訳だ。

水中生物のようなLiirは超光速(FTL)で航行できるが重力圏の付近では大きく減速してしまうので長距離移動に優れる。
猿人Tarkaも超光速航行が可能だが、燃料を大量に使用する・・・といったところだ。

SotS in game galactic map

各地に散らばる惑星を探索し、植民艦を送ることで新たな惑星を手に入れられる。
惑星ごとに環境が違い、種族ごとの相性もあるので、開拓コストには大きな幅がある。
惑星の開拓は、環境を自分の種族に合わせるテラフォーミングと、インフラ整備に工業力を振り分けることで行う。

テラフォーミングやインフラがある程度整わないと収入が得られない。
もし自分の種族が住みづらい惑星に入植すれば、しばらくは収入どころかテラフォーミングやインフラ整備が完了するまで維持費による赤字を垂れ流すことになる。
しかもテラフォーミングが進行しないと人口が増えず、惑星の工業力も発展しない。
つまり惑星の開拓スピードも上がらないためますます時間がかかるのだ。

しかし貧しい星も、開発が進むと共に立派な領土へと変わっていく。
序盤には、将来を見越して不毛な惑星を植民するか、それとも別の惑星が見つかるのを待つかで頭を悩ませることになるだろう。

銀河を統べる国家となるためには技術の研究が必要に違いない。
この研究もまた特徴的だ。これこそがゲームの重要な部分であり、賛否両論を巻き起こした部分だと私は思う。
一見するとCiviliaztionなどで知られるテクノロジーツリー形式であり、予算を振り分けて研究するというところはごく一般的だ。

ところが長期的な計画を練ってゆく必要があるストラテジーと相反するかのような要素がここにある。
なんと、登場する技術の半分近くが、ランダム技術と呼ばれる研究できるかどうか分からない技術なのだ。

SotS Technology screens

ゲームを新たに始める度に、各プレイヤーごとにゲーム中に研究可能なランダム技術が決められる。
選ばれなかった技術は、そのプレイヤーのツリーに現れず、研究できない。
もちろん、その技術によって生産可能となる兵器も使用できない。

また、ゲーム中にテクノロジーツリーの全貌を見ることはできず、前提技術を研究してようやく次の技術が研究可能かどうかが分かるようになっている。
この為、特定のパターンを構築しづらく、特定のユニットや技術に頼るようなことは難しくなっている。
臨機応変な作戦計画が要求されるのだ。
また種族によって各技術の発見率にも違いがあり、これも種族の違いの表現を手助けしている。

1つ実際の例をあげてみよう。
敵がミサイルを使ってくるので、迎撃兵器の開発に必要なPoint Defence System技術を研究しようと思い、
必要技術のVRF Technologyを研究するが運悪く発見できなかった。

敵はPoint Defence Systemを手に入れているのでこちらのミサイルでは対抗できない。
その結果、序盤では敵の長距離攻撃に苦しめられて主導権を握られてしまう。

その代わりアーマーやシールドの技術を発見することに成功した。
辛抱強く守りを固め、強力な装甲とシールドに身を包んだ艦隊を編成し反撃を試みる・・・

このシステムは時として不条理に思える敗北をもたらすので、大きく好みが分かれるだろう。

このゲームの華は戦闘であり、全ての要素はこれを盛り上げるためのものだ。
戦闘に向けてユニットを生産・・・の前にユニットを設計しなくてはならない。

設計方法はベースとなる船体と船首とエンジンを選び、その船体のスロットに兵器を搭載していく簡単なものだ。
他の宇宙ストラテジーに比べると弄れる所が少ないが、その分気楽に設計できるのでこれはこれでいいのかもしれない。

敵と遭遇するといよいよ戦闘が始まるが、ここでは現実と同じく指揮艦が重要だ。
どんなに大量のユニットを用意していても、戦場に現れるのは一部だけで、残りは戦場にいる味方が撃破される度に援軍として到着するようになっている。
だが、指揮能力(C3C)を持つ船を艦隊に加えることで、参戦可能な上限を増やすと共に陣形を設定することができるようになる。
このおかげで物量勝負の戦いにはなりにくくなっている。(終盤になるとやっぱり物量勝負になってしまうのだが)

SoTs combat

戦闘はRTS形式で行われる。
プレイヤーはあらゆる手を尽くして敵の艦隊を打ち負かし、敵の惑星に弾丸の雨を降らせて住民を殲滅しなくてはならない。
長距離攻撃のミサイル、衝撃で敵の姿勢を乱すマスドライバー、ピンポイントでモジュールを攻撃できるレーザーと、性能はどれも様々なので宇宙戦闘好きは十分楽しめるだろう。
正直に言うとグラフィックは美しくはないが、演出やサウンドが素晴らしく不思議な魅力が感じられる。

また、テクノロジーと並ぶもう一つの不確定要素である‘宇宙の恐怖’が存在する。

敵は敵の陣営だけではない。
巨大隕石郡、肥沃な無人惑星に仕掛けられたトラップ、星々を砕きながら放浪し、プレイヤーをサドンデスに追い込む巨大戦艦システムキラー・・・
これらの恐るべき攻撃はプレイヤーたちを常に苦しめ、ゲームをかき乱してくれる。
もしこれらに悩まされるのが苦痛ならばオプションで出現を制限することもできる。

これまでに書いたことから分かるようにとても挑戦的なゲームだ。
変わったシステムを取り込みながらもゲームとして纏まらせているのは見事である。
だが目新しいシステムに慣れてた後は、物足りなさを感じてくるかもしれない。

そしてかなり多くの欠点も存在する。
まず、このゲームの外交はかなり寂しいもので(停戦や同盟といった最低限のものはあるが)、ほとんどの場合は戦闘しか取る手段がないのが残念なところだ。

内政もユニットの設計といくつかのスライターの調整くらいしかすることがない。
これらは戦闘に集中できるように簡略化されたのだと思うが時にはつまらなく感じることもある。

さらに最も苦しいのがインターフェイスの操作し辛さだ。
3Dの戦略マップや回転するテクノロジーツリーは綺麗で雰囲気が醸し出されているのだが、かなり見づらく操作しづらい。
どこで何が起こったのか把握できないこともしばしばだ。

(これらの欠点は拡張版で大きく補われることになる)

Sots Weapons

しかし複雑な要素を切り捨ててランダムな要素を多く盛り込むことで、
コア向きになりがちなストラテジーゲームを、気張らずに遊べるようにしようという本作の試みは面白い。

何より、これらのある意味とんでもない要素は、かつてのゲームが持っていた反骨精神のようなものが感じられる。
重厚なストラテジーだけではなく、こういう方向性も面白いと思う。

今後に期待したい・・・ではなく既に発売から2年。
多くのパッチと3本の拡張によってゲームはどのように変化したのか。
次回は二つの拡張Born of BloodとMurder of Crowを加えた現行のSotSに関して書きたい。

・・・などと書きながら放置しておいたら2が発表されてしまった。
来年春発売予定とのことだ。延期して今年(2011)冬発売になった。


○外部リンク
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