無骨?質素? Armada 2526 レビュー

armada2526 title

2009年の秋、一つのゲームがひっそりと発売された。

それはターン制の宇宙ストラテジーArmada 2526。
20年ほど前に作られたArmada 2525というゲームの続編らしい。
開発は2525を製作し、Total Warシリーズに関わった人物の立ち上げたNtronium Games。

私はArmada 2525のことを全く知らなかった。
でもせっかくの宇宙ストラテジーなんだから。そう思った私は気楽な考えでゲームを購入した。

その内容は優しくなく、面白いかどうかも分からないものであり、私は蹴り飛ばされたような気持ちになったが、
いつしか放っておくには勿体無いゲームだと思い始めた。
良いゲームなのか悪いゲームなのかは分からない。けれども、その存在を伝えたいゲームだったのだ。

そんなこんなで時間が経ってしまったが、今回はArmada 2526についてである。

近未来。突如現れた謎の異星人から超光速航法を教わった人類はその繁栄を銀河の彼方へ広げようとしていた。
だが、そのプロメシアン(火を授けし者)と呼ばれる異星人は、銀河に生きる無数の種族にその技術を提供していたのだった。
宇宙に嵐の群れが集まりつつある。潰える文明、繰り返される戦い、増大する力。
果たして栄光を手にするのは誰か。

というのが説明書にあるストーリーだが、本編には全く関係しない。
基本はボードゲームのように自由にマップをプレイするものであり、あくまでこれは自分の想像を広げる材料に過ぎないのだ。

armada 2526 map

13の種族から一つを選んでゲームを始めると、一つの母星を与えられる。
マップには同じような星々が点在している。
ゲームの領土は恒星にある惑星であり、移動も恒星単位で行われる。(海賊プレイ時は除く)
まずは惑星を探検し、植民地を作り上げなくてはならない。

惑星は住みやすい惑星、極寒の惑星、荒れた惑星などがあり、その環境によって国民の住みやすさや生産性が変わってくる。
ここでは人口に応じてお金が生み出される他、お金を支払うことで造船場や鉱山といった施設を作ることができる。

その内政は入植した惑星のスロットにお金を払って施設を建てていくという簡単なものだ。
しかし、その運営は割と難しい。

施設を維持するには資金がいる。
これはかなり高額で、あらゆる星を発展させようとするとあっという間に破産してしまう。
そうしない為には個々の惑星を特化させる必要がある。
例えば資源の多い星なら鉱山を建て、住みやすい惑星なら国民を幸福にする施設を建てて人口を増やす土地にといった具合だ。

armada2526 tech

惑星に研究所を建てることで技術の研究を行うことができる。
研究は研究所の生み出す研究ポイントを7つの分野に割り当てることで行う。
分野には兵器、防衛、産業、生物などがあり、それぞれの名前に合った種類の技術を手に入れることができる。

しかし、普通に建てられる研究所はちょっとの研究ポイントしか生み出さない。
これで研究していたのではすぐ他国に追い抜かれてしまう。

これを何とかするには研究所をアップグレードすれば良い。
ただ、アップグレードした研究所は特定の研究分野しか研究できなくなってしまう。
例えば、研究所を兵器研究所にアップグレードしたとしよう。
その研究所は沢山のポイントを産出するようになるが、そのポイントは兵器分野の研究にしか使用できなくなる。

技術を一つ手に入れるにはかなりの量の研究ポイントが必要だ。
そのため、プレイヤーは一つか二つの分野に特化することが必要になる。

あとの分野はどうするのかというと、他国と交換するか、買うか、あるいは力で奪わなくてはならない。
他の種族もまた技術を何かに特化させているのだ。
このシステムはプレイヤーごとの特徴を自身に決定させ、戦略の幅を広げている。

宇宙の何処かで他の種族と接触すると外交が可能になる。
行えるのは技術の交換や同盟、交易などで特に変わったところのない平凡なものだ。
上記の技術の制限もありそこそこは楽しめるが、終盤には少し煩わしくなることもある。

armada 2526 combat

敵対している国家の軍と遭遇すると専用の画面に切り替わり、戦闘が始まる。
これはリアルタイムで行われる。(スキップも可能。)

戦闘は惑星の地上戦と宇宙の艦隊戦が同時に行われる。
上空で光線とミサイルが飛び交う激戦が繰り広げられる中、歩兵が降下し地上のミサイル施設に攻撃を仕掛ける・・・
この状況はなかなか興奮するものがあるが、グラフィックと演出はあまり良くない。
しかも視点操作がかなり不自由でやり辛く、操作にも支障があるくらいだ。
悪くは無いのだが、このRTS戦闘はそれほど奥深いものではない。

ここまでは普通のストラテジーゲームとあまり変わらない。
だがこのゲーム、種族ごとに勝利方法が違うという特徴があるのだ。

このゲームでは、一定ターンが過ぎたとき勝利ポイントというものを一番持っているプレイヤーが勝利する。
そしてこの勝利ポイントの溜め方は種族によって違うのだ。

armada 2526 combat

例えば人類であるHuman Unionは国民の幸せと戦闘の勝利からポイントを獲得できる。
この種族で遊ぶ場合は、内政を上手くこなしつつ、たまには負けない程度の戦争を行う必要がある。

戦闘種族Klurguは敵を殺したり、人口の増加でポイントが手に入る。
つまり、容赦無しに戦いを挑み、敵を皆殺しにするような極悪非道な遊び方が勝利への近道だ。

Cryonkonという寒いところが好きなマンモス種族はお金を稼がなくてはならない。
美味しい立場を手に入れて、交易で大儲けするというちょっとずるい戦い方が向いている。

これは単に戦略を複雑にしているだけでなく
プレイヤーに実際にその種族の支配者になったような気分させてくれる。

仲のいい隣人がいる。でも、もし彼らが幸福から勝利ポイントを得る種族だったら付き合いを続けるべきだろうか?
敵を殺すと勝利ポイントが減ってしまう種族で遊んでいるとき、他の国家に喧嘩を売られたら?
“自分の種族”の人口だけが勝利に関わるのであれば、征服した星の他の人種はどう扱うか?

プレイヤーは様々な戦略に対面することになる。

さて、ここまでは良いゲームのように書いてきたが、実のところ誰にでも勧められるゲームではない。

まず、チュートリアルとマニュアルの情報が少なく、ゲームの基本を学ぶのは大変である。
グラフィック的な魅力も薄いため、戦略ゲームに慣れないプレイヤーは慣れるまでプレイに苦労することになるだろう。

操作性は悪くないのだが、痒い所に手が届かない感じだ。
終盤にもなると大量の操作が必要になる一方で、ショートカットキーは少ないため様々な面倒にぶつかる事になる。

勝利の違いや技術の特化があるといってもランダムイベントやユニット設計といったものはないので、ゲームの流れは平坦になりがちだ。
1プレイの時間もそこそこ長いため、途中で飽きてしまうこともあるだろう。
かといってマルチプレイヤーはホットシートの1v1を除けば存在しない。

armada 2526 race

とはいえ、淡白故に芯のある戦略を要求される。
AIもまたプレイヤーと対面するに相応しい強敵であり、ゲームをうまく動かしている。
戦略ゲームとしての出来は確かだ。

凄い特徴がある訳でもないが、プレイヤーに挑戦状を叩き付けてくるような手強いゲーム。
特に目立った要素もなく、一言で言えば硬派なので、喜んで受け止められる人間はあまり多くないだろう。
しかしストラテジー、そして宇宙を舞台にしたゲームが好きであるならこの挑戦状を受け止め、楽しむこともできるかもしれない。

つまらないのではない。ただ、人を選びすぎるのだ。
その上、Demo版が無く、買うまで合うか合わないかが分からないという危なさもある。

現在、本作の拡張版が開発されているという。(2011 2/23追記:発表されました。)
これでゲームがどう変わるかは分からない。
しかしせっかく買ったのだから暫くは見守り続けてみようと思う。


○外部リンク
公式サイト

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