Sake Visual の新作、Backstage Pass のベータ版 その1

英語圏の日本風ADV※1が、気絶しそうになるくらいの勢いで Kickstarterに 提出され、検品用ベルトコンベアの上を流れる機械部品のように GreenLight を通過している昨今だが、そのコミュニティと市場は相変わらず※2小さい。

コミュニティそのものが小さいので、当然ながら制作の規模も小さい。
日本におけるゲーム制作サークルの大部分がそうであるように、イラストレイター/ライター/プログラマーを一人が兼任しているグループは珍しくなく、フルボイスなど夢のまた夢。
せめて華を添えたいと、テーマソングの制作を依頼するために、銀行口座からお金をひねり出すかどうかを悩むのが精一杯である。
ゲーム制作は、多くの人々にとっては平坦な道のりではないという実情は、日本と変わらないようである。

ただ、このジャンルに限って言えば、大きな違いが一つある。
英語圏の日本風ゲームコミュニティには、皆が親しんでいるゲーム、皆が名作と呼ぶようなゲームは、恐らくは一作も無いということである。
あるとすれば、それは日本の大作を翻訳、移植したものだけである。

以上の事を念頭に置いて、このゲーム、Backstage Pass について考えると、その異質さが際立って見える。
整った絵、オリジナルのオープニング/エンディングソング、楽曲、フルボイス……そして、日本のアニメ制作会社『スタジオディーン』に発注したアニメーション。

制作は”SakeVisual“。
声優/イラストレイター/ライターとして活躍している Ayu Sakata さんが中心となって結成された、創作グループだ。
英語圏の日本風ADV(この呼称は長すぎる。 良い呼び方を考えよう!)に興味がある人なら、所属メンバーである Dejiさんや tooayaさんの絵を何度か見たことあるかもしれない。

backstage pass playing screen

このゲームの発表の知らせは、私にとっても寝耳に水であった。
気がかりな事を一つ挙げるとすれば、それは本作が乙女ゲームだということではなく、これまでにプレイした SakeVisual 関係のゲームは、公には褒められないモノであったということである。
とはいえ、SakeVisual 関係のゲームを最後にプレイしたのは、もう3年も前だ。人間は3年も経てば変わるので、人間が作るものも大変化するものである。
SakeVisual の今のゲームがどうなっているか、それを確かめなくてはならないだろう。

前置きが長くなったので、いったんここで区切ろう。
次回は本題、ベータ版の紹介と感想をお伝えする。

続く(続くと宣言して続かなかった記事は何本あるだろうか?)


※1
便乗上、私は「英語圏の日本風ADV」という言葉を、アドベンチャー以外のゲーム、たとえばノベルゲームやデートシミュや育成ゲームを含むものとして使っている。
ADVが特別多いわけではないので、本当はこう表記はしたくないのだが、他の言葉が考え付かないのである。
アイディアを求む!

※2
あくまで英語圏の話。私自身は詳しく知らないのだが、中国や韓国ではかなり事情が異なるようだ。

最近は、スペイン語圏、アラビア語圏でも面白い動きがあるという噂を耳にする。
このジャンルの動きは日本語/英語だけではとても把握できないと痛感している。

2コメント

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  1. 日本のADV市場(同人が中心?)と同様に海外の日本風ADV市場もなかなかの魔窟ですね。
    個人的にはWinter Wolves Gamesのゲームが安心して遊べるかなと妙に信頼しています。
    B×GだけでなくB×BやG×Gと幅広いジャンルを抑えてるのもGoodですね:)
    ともあれ、Backstage Passは私も気になっているゲームですので感想楽しみにしてます:D

  2. 日本のADV(これも定義がかなり難しい言葉です)は、確かに同人も活発ですが、第一線を張っているのはやはり商業だと思います。少なくとも今はまだ、コンソールでも、PCでも、携帯機でも、毎年かなりの新作がリリースされていますし、平均的な質も高めです。

    Winter Wolvesのゲームは私も結構好きです(今はHeileenシリーズをやろうと思っています)。
    安定した品質で、なおかつ定期的に新作を出し続けている数少ないメーカーという点でも興味深いです。

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