Carciphonaの訳

07/22日追記
本日、完成したファイルを作者に送りました。
いくつか訳語を変更したので、これからその説明を書きます。

メールの記録によると、「 Carciphonaカルシフォナ(※)」の第三巻の翻訳データを作者Shilinさんに送ったのは去年の五月十三日、第四巻の翻訳を始めたのはその直後だったはずです。ということは、もう一年と一ヶ月、第四巻の翻訳をしていることになります。

※長い間「カルシフォーナ」と音写してしましたが、最近になって「カルシフォナ」または「カルシフォンナ」と表記するべきだったということが判明しました。誤記を続けてしまい、申し訳ありませんでした。

こんなに時間がかかっているのは、第四巻の翻訳がこれまでの巻に比べて遥かに難しいからです。「文章が難解だった」というのが理由の一つですが、最大の難関となっているのは吹き出しの狭さです。

漫画を翻訳する際は、とにかく吹き出しに納まるような訳文を作らなくてはなりません。どんなに優れた文も、吹き出しからはみ出してしまうようでは、漫画の訳としては使えないからです。理想的なのは、短くて、それでいて原文の意味をできるだけ損なわない文章です。しかし・・・「短くて、それでいて原文の意味をできるだけ損なわない」。実は、この条件を同時に満たすのは不可能です。異言語で書いてある文章の含意を余すことなく掬い上げようとすると、どうしても文章は長くなるからです。

「Carciphona」の吹き出しは、英語圏の他の漫画と比べても特に小さめなので、第一巻から第三巻までの翻訳でもかなり難儀しました。どうしても吹き出しに納めることができず、泣く泣く文章を削ることにしたのは一度や二度ではありません。しかし、第四巻の翻訳を始めて早々、それまでと比べて更に吹き出しが小さくなっていることに驚き、どうやっても訳文が思いつきそうになく、途方に暮れてしまいました。

「どうすれば吹き出しに入るだろうか。どこをどう削ればいいんだろうか・・・」
ふと気が付くと、一年が過ぎていました。

妥協に妥協を重ね、ようやく第四巻の翻訳とファイル作成が粗方完成したのは今月になってからです。意味が原文から乖離してしまっている箇所もあり、能力不足で十分に訳し切れなかった箇所もあります。しかし、今の自分に出来ることば全てやりました。

訳は七月の半ばまでには作者に送る予定です。それが終わったら、削った部分補うための注釈をブログに書く予定です。

ところで・・・久しぶりに第一巻から第三巻までを読み返して、自分の訳の酷さに絶句しました。第四巻の訳が済んだら、第五巻に着手する前に、第一巻から第三巻の訳をやり直す予定です。修正作業と平行してこのブログに正誤表や注釈を掲載する予定なので、既に第一巻から第三巻をお読みになった方はどうかしばらくの間お待ちください。

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