夢の国 桜の国 Other Age Second Encounter 感想

自分が「日本風の外国のゲーム」をプレイする理由はよく分からない。

滑稽さを面白がっている?
いや、それは最初の頃だけだった。

外国でアニメ、漫画、ゲームがどう捉えられているかを知りたいから?
そんなに具体的ではないと思う。

行く末に期待している?
先のことを考えるのは苦手だ。

まあ、この答えはいつか出すとして・・・

oase rosey

今回のゲームはOther Age Second Encounter。
2010年にZeiva Incが発表したデートシミュである。

Zeivaは二人のアニメ、漫画、ゲーム好きによって構成されたグループであり、これまでにも様々な作品を公開している。
そして本作は数年前に公開されたOther Ageの続編だ。
これは不思議な王国の王女となって少年たちとデートするというゲームで、英語圏の婦女子らに高く評価された。
しかし、今回のSecond Encounterでは主人公は王子、相手は少女と前作とは対照的な作りになっている。

ちなみに本作はZeiva Incが公開したシリーズ、Genetic GlowとImaginary Realmsのスピンオフ的な存在であり、登場人物の殆どはオリジナルではなくそれらに出典がある。
よって、プレイする際にはこれらの作品を知っておかないと面白みが半減してしまうだろう。

・ゲームの紹介

何処かの世界に存在する水の楽園 ゼイヴァ帝国。
そこでは、気まぐれな女王と魔法使い、デュードと呼ばれる奇妙な生き物たち、そして18才になる王子が暮らしていました。

ある日、女王に一通の手紙が届きました。
それによれば、帝国のライバルであるゼイヴァ王国の王女様が初めてのデートをやり遂げたというのです。

これを知った女王は大嫉妬!
「ええい、うちの王子も負けてられないわ!」

女王にけしかけられ、王子はヘンテコな装置で女の子を召喚することになったのでした。

oase nitarou deluxe

プレイヤーは”ゼイヴァ帝国”の王子となり、少女とのデートに挑む。

開始後まもなく、プレイヤーは「ラブラブにーたろうダイナマイト」という怪しい装置の性格診断を受けることになる。
そして、この結果によって攻略対象となるヒロインが決定され、召喚されるのだ。
ここで選ばれなかった者は登場すらしない。

召喚が終わったら、訳の分からない場所に呼び出されて困惑している少女を説得しデートに誘わなければならない。
これはいくつかの選択肢をこなすだけでよく単純だ。

説得に成功したらデートの始まりだ。
これはまるでポイントクリックアドベンチャーゲームのように、各地のオブジェクトを調べたり、人に話しかけたりすることで進行していく。
文章を読んでいるよりも、なにかを探したりクリックしたりしている時間の方が長いことに気づいた時、プレイヤーはゲームのジャンルを確認したくなるかもしれない。

ここでの過程はヒロインが違ってもほぼ同じ。
固有のイベントなども少ないので、少しばかり作業的だ。

oase_03.jpg

各ルートの後半では固有のミニゲームが待ち受けている。
これはアクションであったり、パズルであったりするのだが、見た目に反して難易度は高い。
かなり気合を入れなければクリアできない。

デート中の行動やミニゲームの結果によって、一人の少女につき5つのエンディングに分岐する。
といっても一人一人のストーリーは極めて短い。10時間ほどあれば全てのエンディングを見ることが出来るはずだ。
ただ、行き詰ればその数倍から十倍はかかるだろう。

キャラクターの性格はみな典型的だ。
ストーリーも軽く、毒にも薬にもならない内容である。

どんなエンディング・・・仮にベストエンディングであってとしても、主人公と少女が恋愛的な関係に発展することは無い。
良くて友人といったところか。

まあ、これは良く考えれば当然である。
彼女らがオリジナルのヒロインでない以上、恋愛が発生するのはおかしいし、プレイヤーとしても納得がいかない。
やはりこれはデートシミュ。デートこそがすべてなのだ。

システム面は総じて古臭い。
画面・音量設定が無い?バックログが無い?いや、そんなことは大した問題じゃない。
一番重要なのはセーブシステムが無いということだ。

ではどうやってゲームを再開するのかというと・・・パスワードだ。
なんともレトロチックだが、幸い6文字しかないので暗記できないこともない。

CGの総数は大体200枚ほど。質はなかなか高い。

BGMはNeosounds.comのものが使用されている。
それほど悪くはないが、若干単調。ミュートにできないのが不便か。

・感想
このゲームを知ったのはHanako Gamesのフォーラムだったか、Lemma Softのフォーラムだったか。
始めて目にした時の印象は「かわいい女の子らが出てくる温いゲーム」だった。

そのような甘い考えは旧作を遊んだことによって吹き飛ばされたが、それでも何処か軽く見積もっていた。
「最新作なら遊びやすいはずだ」「あのようなムチャクチャな構成はもうないだろう」と。

その憶測はすぐに破られた。当然ながら。
異常なテンション、酔っ払った状態で書いたかのような話、個性的といえば間違いなく個性的なキャラクターたち。
頭がどうにかなりそうだった。

oase battles

輪をかけて恐ろしかったのはミニゲームだ。
その理不尽さ、手強さはひどく古いゲームのようだった。
でもこれは回帰的なゲームだったのか?デートシミュじゃなかったのか?

ある意味、これは私の持つゲームの価値観への挑戦だった。
いったい誰を対象にしているのか?英語圏ではこのゲームは受け入れられているのか?何度も自問自答した。

Demo版のプレイを終えたとき、私は購入を悩んだ。
常識的に考えれば、回避すべきであることは明らかだった。
今の時代、(例え英語のものであっても)よく出来たギャルゲーはある。
ましてやここは日本だ。

しかし、私はOther Age Second Encounterを選んだ。
良くも悪くもこのようなゲームには二度と出会えないだろう。そんな勘が働いたからだ。
それとも・・・少し意固地になっていただけか。

製品版の内容は予想通りだった。(製作者は親切だ。Demo版で釣って製品版を買わせたりはしないのだから)
既に腹はくくっていた。後悔しなかった。
それどころか、先に待っているであろう未知の世界を想像して興奮していた。

私はゲームに挑み始めた。

zeiva mirage fish

子供っぽいジョークに苦笑いした。
アイテムを手に入れるためにあらゆる場所をクリックした。
あるキャラクターを出現させるために300パターン以上の選択肢を試した。

冷静に考えるととんでもない過程だが、つまらないとは思わなかった。
いやむしろ夢のように楽しかった。

理由の一つは「異質さ」を気に入ったからだろう。

話に戸惑い、ミニゲームに行く手を阻まれ、整った絵に感心させられる。
全てが親切に迎えてくれはしない。

まさしく異世界だった。
次に何が起こるのか、どんな落とし穴が待っているのか。
私はそれに胸を躍らせていたのだ。

zeiva sepia

もう一つの理由はGenetic GlowとImaginary Realmの存在だ。
当初これらはOASEを遊ぶための前提に過ぎなかった。
しかしある時、本気でこれらに惹きつけられていることに気がついた。

何が私をここまで執着させるのか、それも分からない。
その内側に見える日本の文化が何かを煽ったのだろうか?

もしかすると・・・作者の意志に関心を持ったからかもしれない。

考えてみよう!
既存のゲームのキャラクターを使ったデートシミュ・・・この事は手に取るにあたってハードルとなるはずだ。
加えてこの内容は絵に興味を持って近づいてきた人間をも気兼ねさせかねない。

というかこの作者は何者なのか。
なにを思って作ったのか。
理解しがたかった。海に浮かぶクラゲを眺めているかのようだった。

抑えようがない探究心が湧きはじめ、自分の価値観では察せられないそれに関心を抱いた。
そして、ゲームを遊べばそれを汲み取れるかもしれない、そう思ったのだ。

(今思えば、このようなことは初めてではない。
常々、私は創作物の先に誰かの意思を見出そうとしているのかもしれない。)

これらの情熱、いやある種の狂気に取り付かれ、私はゲームをひたすらに進めてきた。
ふと気がつくと、終着点まであと僅かとなっていた。
ひどく寂しくなった。

・終わりに

あるところでは「素晴らしい!」と語られている。
あるところでは「酷すぎる!」と評されている。
私はどちらに対しても異議を唱えられない。

これは良いゲームなのか?
ゲームを買って以来、ずっとその結論を探していたような気がする。

zeiva dream

結局、その答えも、作者の意思も理解することはできなかった。
彼女らはこのゲームに何を込めたのだろう。

今言えることがあるとすれば、このゲームが面白かったということか。
これが精一杯だ。

物語の終盤、作中の舞台であるゼイヴァ帝国は、空虚な夢の世界だと明かされる。
このゲームは二人の作者の夢であり、それを垣間みるための場所だったのだろうか。
それともただの勘違いだろうか。

いつの日か、ゼイヴァ帝国が夢へと変わった時にこそ、私は何かを察せられるのだろうか。
そう信じたい。
なぜなら帝国の原型となったのは、我々の日本そのものだからだ。


○外部リンク
Other Age Second Encounter公式サイト
○関連記事
エナジーウェーブ=戦闘力(Zeiva Incのゲームの感想と紹介)
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ロストカラーズの紹介と感想 Advanced Novelの体験
※ちなみにバージョンアップで難易度が若干優しくなった。大いに助かった。

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