DEMPA 紹介と感想 トーキョーの勇者 魔王と対面す

デムパ タイトル

電波ゆんゆん、受信よんよん。アンテナ8本、ここは日本。
電波系という属性には超越的なロマンを感じる。
・・・現実においては別として。

今回書くのは、そんな電波系を名乗るDEMPA(デムパ)というゲーム。
日本のようで日本でない国『2本』を舞台に、自称勇者の女の子『由愛』が、唐突に現れた魔王と人類の命運をかけて戦うというシミュレーションゲームだ。

デムパというものの実際は?
夢かリアルか。いや、リアルな夢のような世界へLet’s Go!

○前置き

本題に移る前にこのゲームの立場を説明しておこう。

現在、デムパを製作したサークル”SUMMER COLD IRONY”(別称 夏風邪と皮肉)は、Electric Wave II(通称 電波2)というゲームを作られている。
本作はその雰囲気やキャラクターの紹を目的に公開されたゲームなのだ。
ゲームシステムは完全に異なるようだが、いわば予告用の外伝のようなものだろうか。

ところでELECTRIC WAVE II(電波2)にはIIと付いているものの、実質的には一作目であることを留意してほしい。
この辺りに関しては、いつか電波2を紹介するときに説明する予定だ。

○ストーリー

デムパ OP

我々の住む日本と似た、けれども違う国2本。
その都市の一つ『10京』に、勇者を名乗る不思議な少女『望月由愛』が暮らしていた。
彼女は冒険を求めていたが、平和な日常にそれがあるわけもなく、毎日は何時のように過ぎていた。

そんな彼女らの前に突如として現れたのは、魔界の大魔王 サタ子!
地上世界の征服をサクソウする彼女は、由愛にあるゲームを提示する。
それは、魔王が送り出す魔物を全て倒せなければ人類を滅ぼすというものであった。

いきなり始まった大冒険。
勇者は魔の手から世界を救えるのだろうかっ!?

○システム紹介

プレイヤーは、ターンごとの勇者の行動を決定し、魔王の手下に勝てるよう彼女を訓練していく。
簡単に言えばシンプルな育成シミュである。

実行できる行動は訓練、会話、討伐の3種類。

訓練では勇者のパラメーターを伸ばすことができる。
成長するパラメーターは、6人の仲間のうち誰と訓練するかによって決まる。

デムパ 訓練

会話では、文字通り仲間の一人と雑談できる。
会話中には「はい」か「いいえ」かの二択が示され、その結果によって相手との仲のよさが変動する。
仲のよさは成長率やエンディングに影響する。
方向性を持つことは大切だが、難易度は高くないので好みで決めていっても支障はない。
(やりこみでない限りは)

その内容の多くは(非常時にも関わらず)ほのぼのとした雑談だが、電波2と関連するであろう話題が飛び出すこともある。
これを理解しようとするのは困難である。
「そういうものだ」と認識し、本編を想像しながら読むのが正解だろう。

準備が整ったら討伐を選んで魔王の手下との対決だ。
戦闘は自動で行われる。
勇者と敵のパラメーターを比較し、勝っているものが多い側が勝者となる。

訓練→討伐の過程を繰り返していき、一定ターン内に全ての敵を倒すことができればゲームクリアである。

一周に掛かるプレイ時間は長くても一時間程度だ。
テンポも良いので、古い携帯ゲームのようなノリで気楽に遊べる。

デムパ バトル

○称号
特定の条件を満たしてゲームをクリアすると称号が手に入る。
これはいわゆる実績システムである。

称号を獲得するごとに、プレイヤーは本作の設定に関する文章を閲覧できるようになる。
文章はゲーム世界の理解を助け、やがてやってくるであろう本編への期待を膨らませてくれる。
本作が本編の予告であることを踏まえると、これは良い仕組みなのではないだろうか。

○8bit風音楽
どの曲も良い雰囲気を持った8bit風ミュージックで、ゲームによく合っている。

曲のほとんどはPANICPUMPKINのフリー楽曲が中心だが、
勇者由愛と魔王サタコのテーマの二つは、PANICPUMPKINの作曲者によって作られた専用曲である。
作曲者が同じだけあって違和感はなく、当初から一体だったかのような調和がある。

○もろもろ感想

デムパ 訓練

言い忘れていたが、交流できる仲間というのはみんな男である。(待て、ブラウザを閉じるな!)
だが、ロマンスが展開されることはない。

正確に言うと、周囲の男性陣はそれとなく好意を発しているのだが、
主人公はそれらをことごとく無視するのである。
彼らが気の毒になったくらいだ。(もっとも彼女は無意識的にやっているのだろうが)

それを知ってか知らずでか、彼らは妙に気むずしい。
会話で喜びそうなことを選んだはずが機嫌をそこねてしまったり、
こちらの困惑を楽しんでいるんじゃないかと思えるような反応をする者がいたり。

例:
「この問題の答えを教えてください」

「はい」を選ぶ

「ダメだなぁ。生徒に解かせる努力をさせないと」

こ、こいつ・・・やるっ!

(それはいいとして)これらを含め、彼らは不思議と人間臭い。
受験に悩んだり、麻雀に苦悶したり、勝手に遊びに行ってしまったり、それは生活感に溢れているのだ。
全体としてははっちゃけているのに、実在していても変でないと錯覚できるような説得力を持っているのである。

逆に主人公である由愛は彼らと異なった印象を与えてくれる。
由愛は素直で明るく、電波っぽいが意味不明というわけではなく…見ているだけで元気になれるような人物だ。
本作最大の魅力が彼女だと言えるだろう。

しかし言い方を変えれば彼女は理想的なヒロインであり、現実味がない。
非現実的要因の主人公と彼女を取り巻く現実的要因の差、ここが本作の面白いところかもしれない。

デムパ 魔王

○最後に

デムパを素っ気なくまとめると、「手ごろに遊べる軽いゲーム」となる。
私自身それを想定してこのゲームを選んだし、事実それは間違いではなかった。
けれども、このゲームには小さくない価値があるように思える。

既に触れたように、作中にはこっちの知らない話題や固有名詞が次々に登場する。
しかし、そのキャラクター性のためか、単にやり取りが楽しかったからか、それは分からないが…
とにかく、その断片的な情報は困惑ではなく、本編への期待を感じさせてくれた。

私はElectric Waveの存在を全く知らなかったが、ゲームを終える頃にはその完成を楽しみにするまでになっていた。
それは本作が本編への案内板として優れていただけでなく、独自の魅力を持っていたからに違いない。


○外部リンク
公式サイト
banner to the dempa official site

SUMMER COLD IRONY
banner of the summer cold irony

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