杖を継ぐもの(タクトオブマジックの感想)

リアルタイムストラテジーゲーム(以下RTS)というジャンルがあります。
これはターン制ゲーム、例えばファイアーエムブレム、戦闘国家、Civilizationなどと対になるジャンルです。
どういうことかというと相手と自分の番が入れ替わることなく、常に自分たちの駒が動き回るのです。

今日紹介するタクトオブマジックもWiiで発売された魔法をテーマにしたRTSです。
(追記:あとで確認したら魔法アクションストラテジーでした。)
これはRTSの楽しさを誰でも理解できるよう調理したゲームであり、RTSを遊んだことのない人は試してもらいたい作品です。

プレイヤーはリモコンでルーンと呼ばれる記号のようなものを描くことで魔法を使用できます。
これはコマンドから選択するようなやり方よりも素早く、かつゲームの世界観によく合っています。

ただしこれは問題も孕んでいます。
ゲーム中は何度も何度も魔法を使うことになります。
そしてそのたびに何度も何度もルーンを描かなくてはならないのです。

つまり「ルーンを描く」という行為がゲームを楽しめるか否かにほとんど直結するのです。
もちろん、ルーンを描く行為を楽しめるようにする工夫はあります。
記号を描いたときの効果音、綺麗に描けたときのボーナス・・・

しかし「ルーンを描く」ということに依存していることを覆すことはできません。
これは購入者にとってある種のギャンブルです。危険だ。

まだこの記事は続きます。
もしこの記事をタクトオブマジック購入の参考のために読んでいる人がいれば次の記事は飛ばして貰えればありがたいです。

タクトオブマジックには多くの魔法が登場する。
地形を変える物、障害物を作るもの、移動を制御する物、そして攻撃魔法。
魔法は凄まじく強力だ。状況をひっくり返す超兵器だ。

MPという概念はない。魔法は使い放題だ。
(マナゲートという拠点を占領しないと上位の魔法が使えないという制限はある。)

さらに登場するほとんどの敵は自分から積極的に攻撃してこない。
どうやら彼らには全体を管理するプレイヤーが存在しないようだ。
マップをプレイする際はこちらから常にこちらから向こうへと進まなくてはならない。
そのためマップクリアの手順はほとんど一筆書きだ。

これではストラテジーの意味がない?そうだ。
私は遊んでいてこのゲームはストラテジーではないと思った。

だがこれは逆に言えば戦略、戦術、作戦その他が苦手でも魔法さえうまく使えればゲームを進められるということだ。
つい忘れがちだがこういったものをリアルタイムのゲームで理解するのはすごく大変なの事だ。
Wiiという市場の性質上(実はよく分からない)こういったゲームに縁のない人が手を取る可能性もある。
いや、むしろ取らせようとしているのだと思う。

その人がもしゲームを楽しめなかったらますますRTSから遠のいてしまうだろう。
それを考えた結果生まれたのが強力な魔法なのかもしれない。
実際、魔法は面白く作られている。
戦略ゲーム好きの私でも多様な魔法で敵を蹴散らすという快感はそんな批判が掃討されるほどに大きかった。

魔法を使うことを楽しめるプレイヤーは魔法をどんどん使ってゲームを進める。
そんな人も時にはユニットを動かしその動きを眺めて胸を焦がしながら戦況を見守り、その結果に一喜一憂するだろう。
これはリアルタイム、更にはストラテジーの楽しみの一つでもないだろうか?
RTSゲームを遊んだことのないプレイヤーがこの楽しみを感じられたらと考える。それは素敵だと思う。

wii用のRTSということで複雑さでいえば名の知れたRTSゲームたちには及ばない。
しかしこれらのゲームに比べてタクトオブマジックがつまらない、面白くないゲームだということではない。
多くのRTSにある複雑さ、言い換えれば厳しさをまろやかにすることでRTS未体験者でもハードルを感じることな
く遊べるようにする。
これは価値あることに違いない。


○外部リンク
公式サイト

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